タイ

日系企業のタイへの進出が進んでから、タイに移住する日本人は増えつつあります。
移住する人の多くが仕事を目的に行くようですが、その他にも移住する魅力があるようです。

このページでは、タイへ移住する魅力や移住者が増えている理由を解説しながら、移住に必要な費用やビザの種類など、移住のための条件についてまとめました。
また、タイの中でも特に人気のある地域の特徴や魅力についても紹介しているので、どのエリアに住もうか迷っている方はぜひ参考にしてみてください。

タイってどんな国?

インドシナ半島の中央にあるタイは、国家を元首とする立憲君主制の国で、タイ王国とも呼ばれます。
人口は約6,900万人と日本の約半数ほどで、首都はバンコクにあり、民族の大多数がタイ族です。
その他、中華系や山岳地帯にはモンクメール系の少数民族が暮らしています。
国境にはミャンマーやマレーシア、カンボジア、ラオスと接していて、これらの地域にも行きやすい国としても知られています。
タイは近年、社会経済の発展が著しく、国民総所得(GNI)は世界24位と中進国に位置しています。

タイに移住するメリット

物価が安い

以前はとても物価が安いというイメージのあったタイですが、最近では円安の影響により、さほど安さを感じなくなってきました。
2022年10月24日時点で1バーツ=3.92円だったので、今はだいぶ円安が進んでいます。
これまでタイバーツを換算するときはタイバーツ×3=日本円という感覚でしたが、今ではタイバーツ×4の感覚になります。
例えば、30バーツの屋台ごはんが前は90円の感覚でしたが、今では日本円にすると120円といったところ。
それでも日本に比べて物価はかなり安いことが分かります。ホテルの宿泊費や鉄道などの交通費、日用品などは、日本に比べると半額くらいの感覚です。
日本製や日本食にこだわらず、安い製品で暮らせるようになれば移住後の生活費も抑えられるでしょう。
家賃相場も低いので、日本で生活するよりも安く過ごすことができます。
例えば、バンコクにある高級コンドミニアムの家賃は、月額13,000~20,000バーツほどです。
52,000円~80,000円程度でプールやフィットネスジム付きのマンションに暮らせると思うと、住まいでプチ贅沢を味わえそうですね。
日本人駐在員が多く住むエリアは、単身用でも比較的割高ですが、高級コンドミニアムなら日本人居住区と治安も変わらないとのこと。日本人がいないエリアでも高級住宅街なら安心です。

親日国なので日本人にやさしい

タイの王室と日本の皇室が親密な交流を図っているという歴史もあり、タイでは日本に親しみを持っている人が多くいます。
テレビで日本のバラエティーやアニメ、映画を観られることも多く、日本のサブカルチャーを身近に感じてるタイ人も多いものです。
日本人をあたたかく迎え入れてくれるため、移住しやすい国と言えます。

日本人街がある

タイの中でも首都バンコクやシラチャには、日本人街があります。日本語の通じるホテルや病院、サービスも多く、タイ語が話せなくても安心感を覚えるでしょう。ラーメン屋さんやお蕎麦屋さんなどの日本食はもちろん、イオンなどの日系スーパーや大手ファミリーレストランなんかも軒を連ねているので、日本食が恋しくなったときにいつでも通えるのも嬉しいです。
ただし、日本のメーカーの日用品や食料品などを買おうとすると、日本で購入するよりも割高になります。メイドインジャパンにこだわりすぎると、日本で生活するよりも生活費が高くなる可能性があるので注意が必要です。
日本食の外食を制限する、輸入物は計画的に購入するなど、気を付けるだけで出費を抑えることができますが、タイの食文化に合わない人にとっては慣れるまでが大変です。

タイに移住する条件とは

タイに移住するには、以下の2つを取得する必要があります。
ビザ…就労ビザ、留学ビザ、リタイヤメントビザ、家族ビザなど
ワークパーミット…タイで外国人が働くのに必要な許可証。就労ビザとは別に取得する必要があります。

ビザには「ノンイミグラントB」「ノンイミグランED」「ノンイミグラントO」の3種類があります。タイで就職が決まった場合はB、留学が決まったらED、50歳以上でタイの就労を必要としない人やタイで就労する人の配偶者の場合は、ノンイミグラントOが必要です。
ビザとは別に必要なワークパーミットは、入国後に労働局への申請が必要です。ワークパーミットを取得しないでの就労が見つかった場合、3000バーツの罰金のほか、強制送還されてしまうため注意が必要です。
50歳以上である程度の経済力のある方なら、タイに1年間滞在することができます。
そのため、老後に物価の安いタイで長いバカンスを楽しみたい、悠々自適に過ごしたいという日本人も増えています。

ロングステイ10年のビザもある

申請時に満50歳以上で、300万バーツ(1,200万円)の預金または収入がある方なら、ノンイミグラントO-Xを申請できます。
ノンイミグラントO-Xの取得者はタイで就労することは認められていませんが、ビザ発行から5年の滞在ができ、入局管理局で5年の延長ができます。つまり合計で10年の滞在が可能です。
老後、タイへ長期滞在して悠々自適に過ごしたい、収入に余裕があるのでしばらく移住してみたい方は、このビザを取得すると良いでしょう。
収入証明のほか、申請にはタイの入国禁止者リストに載っていない、日本で犯罪歴がない、禁止疾患(ハンセン病・結核・麻薬中毒・象皮病・第三期梅毒)などの病気を患っていないといった条件があります。

移住におすすめの都市

ひと口にタイといってもさまざまなエリアがあり、それぞれ街の雰囲気や住むのに向いている人は異なります。
ここでは、日本人に人気のタイの都市5つについて、特徴と魅力をまとめました。
タイのどの都市に移住しようか迷っている方は、ぜひ検討の参考にしてみてください。

バンコク

バンコクは日本人の在住率が世界1位とも言われるほど、日本人の多いエリアです。また、バンコクには親日の影響で、日本語を勉強している人も少なくありません。日本人と交流して「日本語を上達したい」というタイ人も多いのです。
バンコクはとにかく日本人が多く、日本食に困ることはまずありません。スーパーや薬局もありますし、BTSと呼ばれる鉄道やバスなど、公共交通機関が発達しているので、車がなくても日本と同じような生活を送ることができるでしょう。
コンドミニアムの家賃も日本に比べると格段に安いです。ただし、食費は地方の1.5~2倍と高めなので、タイの物価に慣れた後はバンコクを高いと感じるかもしれません。
学校に通うお子さんのいる家庭なら、バンコクへの移住がおすすめです。
インターナショナルスクールもあり、タイ語、日本語、英語の3か国語を学ぶことができます。

シラチャ

バンコクに次いで日本人が多いと言われるのが、タイのチョンブリー県にある「シラチャ」です。観光地ではありませんが、日系企業が集まる工業団地が近くにあるため、日本人街もあり日本人が多く暮らしています。特に日本人の通える学校や幼稚園ができてからは、家族で移住する日本人も増えてきました。

日本食のレストランや日本の食材を扱うスーパーが多く立ち並び、日本人学校もあるエリアです。吉野家やマック、ココイチ、スタバなど、日本でもおなじみのチェーン店が多く、日本にいるのと変わらない生活を送れるでしょう。

ただし、シラチャはタイの中でも日本人の人口密度が最も高い街と言われており、日本人の割合が異様に多いです。アジアンな雰囲気を味わいたい人には、少々物足りないかもしれません。
また、バンコクまでの電車は1日1本しかないため、バスを使って移動するのがおすすめです。

パタヤ

首都バンコクから車で約2時間のところにあるリゾートエリアです。工業団地がある地域で、ビジネスで滞在する日本人も多くいます。
パタヤにはヨーロッパからの観光客が多く、夜の歓楽街もにぎやかです。国際的な雰囲気も楽しめるでしょう。
家賃は7,000バーツ~とバンコクよりは安めですが、観光客向けのレストランやスナックなどは地元の物価に比べると少し高めです。
中心地から少し離れたところに行くと、タイの富裕層の別荘などが立ち並んでいます。海を眺めながらのんびり過ごしたい方におすすめで、バンコク滞在中に観光で立ち寄るのも良いでしょう。

プーケット

欧米からタイへ移住する人に人気があるのが、タイ南部のリゾート地・プーケットです。
キレイなビーチが広がり、自然豊かなため、ダイビングや釣りなどのアクティビティを楽しみながら過ごしたいならプーケットがおすすめです。
不動産の価格は少し高めですが、物価は安く、屋台やフードコートで外食をしても250~300バーツもあれば思いっきり現地のグルメを楽しめます。
治安も比較的良いので、日本人にも好まれるエリアです。
それなりに日本人は住んでいますが、人工が多くヨーロッパからの移住者も多いので、日本人街のあるバンコクやシラチャよりも、異国情緒な雰囲気を味わえるでしょう。

チェンマイ

タイの北部にある古都チェンマイは、北方のバラとも呼ばれる自然の多いエリア。
かつての王朝があった場所として、多くの寺院や遺跡が遺される風光明媚なところです。

特に日本人の若い世代に人気があり、タイで移住先に考える人が一番多いと言われています。
日本人も多く住んでいますが、語学学校が複数あるので、日本以外の国の人もたくさん移住しており、英語を教えている欧米人が多めです。
バンコクよりも物価が安く、屋台が豊富なのでタイの屋台ごはんに抵抗がないなら、かなり食費をおさえて暮らせるでしょう。
夜は市街地のナイトバザールで工芸品を購入したり、ローカルフードを楽しんだりとバンコクとは違ったタイの文化を楽しめます。
高層ビルや商業施設もあまりなく、のんびりとした雰囲気の地方都市です。

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